【中小企業応援団長】矢野のひとり言

 

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矢野 千寿(やの・ちず)物語

06 自分に与えられた試練

会計事務所では、財務に関する知識を学び、実務能力を磨きました。
会計事務所の顧問先では、会計面だけでなく経営者の考えていることが手にとるようにわかったので、経営者の悩みに対してもアドバイスをしてきました。やはり、私自身が過去に経営に携わってきたことと、出版社で行ってきた社内改革が、ここでも十分活かすことができました。過去に自らが汗を流して経験してきて得たことは、すべて自分に対して実となって戻ってくるんですね。顧問先の社長からも、職員としてではなく現場主義で培ってきた、私の視点・考えをよく理解していただけました。

しかし、そうは言っても会計事務所ですから会計面以上のサポートに、思いっきり力を注ぐことができません。そんなもどかしさを強く感じるようになったので、50歳を迎える年に、もっと自分が納得できる生き方をしたくて、1993年、独立しました。
その後も順調に顧問先も増えてきた、1997年には、財務管理コンサルティング会社と法人化させました。

業績管理のしくみづくりへの取り組みが着実に実を結ぶなか、1999年、今度は私自身の体が、ガンに侵されていたのです。子宮ガンでした。
医者からそう告知された時から、葛藤する日々が始まりました。ガンに対する不安や恐怖が次から次へと襲ってきて、手術への踏ん切りがつきませんでした。手術をする覚悟が定まったのは自分に課せられた試練に挑戦しようと思ったからです。
その試練とはこれまでのコンサルティング活動していくなかで自分の中で「ここまでしてあげたのに」といった欲の感情が存在していました。本当の意味で人の役に立つには、こういった欲を断ち切るために、私自身が今、試されているのだと思えてしかたがありませんでした。

この手術という機会で、私の中で意識と行動が、ガラリとかわりました。コンサルの手法も、一緒に悩み考えていく立場になって接していく。お互いの関係に上も下もありません。だから、コンサルと呼ばれるのに、違和感すら感じています。指導するつもりは、まったくありません。支援する側として、方向性を示し、差し伸べられた手を引っ張っていくように共に歩んでいく。この関係でいると私自身が肩に力が入らず自我の我という型にも縛られため、常にクライアント の目線になることができます。

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