【中小企業応援団長】矢野のひとり言

 

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矢野 千寿(やの・ちず)物語

03 すべてを引き受けると覚悟を決めて

しかし、こんな充実した日々を送っていた私に突然の不幸が襲ってきました。それは、私の夫が肝硬変に侵されていたのです。

8歳年上の夫は、慢性の肝炎で定期的に検査を受けていました。1975年、夫が42歳の時に、医師から検査結果が初期の肝硬変だと告げられました。
「あと、もって10年の命でしょう」と言われて、久留米医大の前にある城跡にいき一人で何時間も泣きつづけました。私の夫に突然襲ってきた大病に、どうすればいいのか。この現実をどう受け止めたらいいのか。
幸い症状はすぐには出ませんと医師から言われたので、ならば夫には何も告げず、このまま仕事を続けさせてあげよう。何もかも私がすべてを引き受けてしまおうと覚悟を決めました。

毎朝5時半に起きて、夫と息子の弁当をつくる。私が仕事をしているので帰宅が不規則ですから、夕食分の準備まで朝のうちに整えて自分の職場へ向かいました。
夫の看病だけに集中したかったのですが、夫が入院退院をくりかえしたり、体に負担がかかれば休まないといけなかったので、家計を支えていくうえでも、私が働くことを辞めることはできません。
5年間、歯を食いしばってフル回転で働きました。

やがて、夫の病状が悪化の一途をたどり、夫への看護の必要性から、1981年、経営の第一線から退き、出版社に転職。出版社では経理を担当しました。
このころは、昼間は出版社につとめ、夜は夫の看病のため病院にいき、先々、夫に付きっきりの看病のため、働きに出ることさえ出来なくなるかもしれないので、夜中に内職を始めました。
毎晩いつも2時3時ごろまで内職をしていました。

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